月を狩る者狩られる者
イヤミな奴……。
「とにかくしばらく動けない様にはしてやらないとな……」
そう言った朔夜の声はとても愉(たの)しそうで、ゾクリと寒気がした。
きっと、顔を見ていたら寒気どころではなかっただろう。
証拠に、踏まれている吸血鬼は首を捻って朔夜の顔を見ていたため、「ひぃっ!」と悲鳴を抑える事すら出来ていない。
「さて……」
と呟き、朔夜は吸血鬼の頭を掴んだ。
すると吸血鬼はろくな言葉も発さずに、その場でのたうつ。
異常な光景に私は目を見開き一歩も動けなかった。
暫くして吸血鬼の頭を離した朔夜はその場で私の方を振り向く。