月を狩る者狩られる者
私の言い分を聞いて、朔夜は足元の吸血鬼に向き直った。


「というわけだ。俺の愛しい望月(もちづき)の願いは叶えてやらないとな」


――愛しい望月――。


私は思わず眉を寄せた。

いや、もっと変な顔をしていたかもしれない。


愛しいと言っておきながら、まったく心が込もってない。

とってつけたようなそのセリフは、明らかに私の心を奪うための作戦だった。


しかもあからさまな言い方は、ソレが作戦であることが知られてもまったく構わないと言っているようなものだ。

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