月を狩る者狩られる者
「朔夜?」

聞くと、朔夜は目を細め近付いてきた。


その表情は少し怒っているようにも見える。


「どうしたの?」

若干怯(ひる)みながら聞いた私を朔夜は抱き締めた。


その反動で抱いていたツクヨミが床に落ち、抗議の鳴き声を出している。

朔夜はそれに構うことなく私を抱きしめる腕に力を込めた。


「っ朔夜……苦しっ……」

そう言った私の声も聞こえているんだかいないんだか……。

朔夜の腕の力が弱まることは無い。
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