月を狩る者狩られる者
口の中に広がる、覚えのある濃厚な香り。

少し生臭くも感じる血液だけど、吸血鬼としての私はその血液を求めた。


そして一口、飲み下す。



でもそれが胃に到達した瞬間、私はうっと詰まった。


口元を押さえながらグラスをテーブルに置き、近くにあったゴミ箱を引き寄せる。

そしておもむろにゴミ箱の中に赤い液体を吐き出した。


「うっかはぁっ……ぅぐっ」

「だ、大丈夫かい!?」


佐久間さんが慌てて私の背中を擦ってくれる。
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