月を狩る者狩られる者
「これは……?」

そのグラスを置いた佐久間さんに聞いた。


「血液だよ。……君、朔夜がいなくなってから一滴も飲んでいないだろう? 日に日に衰弱していくように見える」


佐久間さんの言う通りだった。

いつも朔夜に口移しで飲ませてもらっていたのもあって、朔夜がいなくなってから一口として飲んでいない。


「朔夜を探すにしたって、体力がないと話にならないだろう? ……飲むんだ」


「そう……ですよね」

私は力なく返事をして、グラスを持ち口をつけた。
< 311 / 421 >

この作品をシェア

pagetop