月を狩る者狩られる者
『あまり時間は無いんだ、起きろ!』


てしっ


今度は声と一緒に頬を柔らかいもので叩かれた。

「う、うぅ~ん」

『起きろと言ってるだろう!?』

てしてしてしてしてしっ!


「う~……もう、何よ!!?」

そうして、私は仕方なく起きた。


『はぁ、やっと起きたか』

起きても朔夜の声が聞こえる。


夢じゃない!?


でも、朔夜の姿はどこにも見えない。

「朔夜? ……どこ?」

今の声が聞き間違いでないことを祈りながら、私は呼びかけた。
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