月を狩る者狩られる者
「いいの、こうやって声が聞けただけでも嬉しい。……おかげで、会えるまで頑張れるから」

本当に、つい数時間前まで歩くことすらままならない体だったのに、声を聞いただけで今すぐ探しに行きたいと思えるほど力が湧いてきた。


私は、ツクヨミを愛しそうに抱き上げる。

感触も朔夜と繋がっているかは分からないけど、私の体温が彼に伝わればいいと思いながら。


『そうだな……』

耳元で、朔夜の声が聞こえた。


『会いに来い。それまで我慢して待ってる。……会えたら、我慢した分お前を愛しまくってやるから覚悟しておけよ?』

「なっ!? さっ朔夜!!」


私の顔は真っ赤だ。

朔夜に見えているかどうかは分からないけど、きっと見えていなくても分かるだろう。

私の声はかなり裏返っていたから。
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