月を狩る者狩られる者
それに気付き、私は身体を強張らせる。

敵だと分かってからも、子供だと思って“そういう”意味での警戒はしていなかった。


でも、頬に触れた手に対して感じたのは純粋な男への恐怖。



「殺すのは、もったいないと思った。あの恐ろしいほどに美しい純血種が貴方に骨抜きにされた理由を、もっと知りたくなったんだ」

硬い手が頬を上から下へゆっくりと撫で、顎のあたりでスッと離れていく。

思わずホッと息をついた。


それに気付いてか、クレハはクスリと笑う。


「今、僕のこと男として警戒してた?」

「……」

「ふふ……何だか嬉しいな」

無言を肯定と取ったクレハは子供の無邪気な笑顔を浮かべる。
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