月を狩る者狩られる者
「朔夜が一時でも側にいないと、朔夜がいなかったあの日々を思い出して……もう、あんな辛い思いは嫌!」

そう叫んで私はさらにギュッと朔夜の体を抱きしめる。


しばらくそのまま沈黙が続いた後、朔夜はポツリと言った。

「男と女という繋がりは、薄く儚いものだからな……」

「え?」


朔夜の言葉に不安を覚え、どういうことか聞こうとした。


でもその前に左手を朔夜に掴まれる。

そしてその薬指に冷たくて固い感触を覚えた。


何かと思い、朔夜が手を離したと同時に私は左手を自分の目の前に持ってくる。


「これは……」
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