月を狩る者狩られる者



身じろぎして、動けないことに違和感を感じて目が覚めた。


「ん~?」

唸って瞼を開けると唇が見える。



何これ……?



寝ぼけた頭では状況判断がすぐには出来ない。

その唇が朔夜のものだと気付くのに、かなりの時間を要(よう)した。


でも気付いてからは早かった。

眠る前にあった事が次々と思い出され、何故自分が今動けないのかも理解した。

理解した途端、朔夜の腕から逃れようとまた暴れてみるが、逆に抱き締める力が強まっただけだった。

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