月を狩る者狩られる者
どうしよう……これじゃあ邪魔されちゃうじゃない。


「……まあいい、頼めばいいさ」

邪魔をされると思っていた私は、思いもよらない朔夜の言葉にキョトンとした。


「え? いいの?」

「別に構わないさ。無駄なことは分かりきっているからな」

「……何で無駄なのよ」

実行に移る前に無駄と断言され、出鼻を挫(くじ)かれた気分だ。


「……俺が他の吸血鬼とは違うことくらいもう分かっているな?」

私は昨晩の朔夜を思い出し首肯する。


「俺が本気を出せば協会なんか簡単に潰せる。それをしないのはただ単にその必要がないからだ」

私は朔夜の話を黙って聞いていたが、信じられない気持ちでいっぱいだった。
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