月を狩る者狩られる者
「れっきとしたハンターねぇ。でも、こうやって捕まってりゃあ世話無いな」

ククク、と嫌味に笑う吸血鬼。


私はむやみに感情を昂ぶらせず、無言で対応した。


するといきなり顎を掴まれ、上向かされる。

「それにしても、アンタ美人だなぁ」

吸血鬼の声が少し猫撫で声になった。


「ハンターなんか辞めて、オレの女にならねぇか? 毎晩イイ思いさせてやるぜ?」

そう言って、頬を舐められる。



「っっっ! ふざけんなーーー!!」
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