月を狩る者狩られる者
「どんな奴が追ってきてるかと思ったら、小娘じゃねーか」

唇と両耳にピアスを付けた吸血鬼が私をまじまじと見ながら言った。

舐めた態度。
私の自由を奪ったことでイキがっている。



「小娘でも、れっきとしたハンターよ」


下から睨みつけて言う。
身体の自由を奪われても、心が負けてしまったらおしまいだから。


それでもそいつは調子に乗った様子を崩しはしなかった。

私はそんな嘲りを帯びた目を睨みながら、吸血鬼と呼吸を合わせる。



私が得意とする合気道は、相手と気を合わせることでその力を最大に発揮する。

呼吸を合わせながら、相手の次の行動を探った。
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