月を狩る者狩られる者
「……っ!」
もう、見ていられなかった。
胸が苦しい。
息がちゃんと吸えない。
苦しくて、涙がにじんだ。
私は耐えきれなくてその場を離れようとした。
なのに……。
「あっれ~? 君どうしたの? 泣きそうな顔してるよ~。俺が慰めてあげようか?」
嫌に明るい声が目の前に立ち塞がった。
知らない男性。
その軽そうな風貌と口調でナンパだと分かった。
何でこんな時にナンパが……。
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