【完】あたしが君を守るから
「そうそう。これ」
差し出されたのは、縦に長いホワイトの高そうなケース。
ゆっくりと手に取り開ける。
「これ......」
パールのネックレス。
口を開けたまま、何も言えずにいると、
ケースからネックレスが消えた。
視線で探すと、微笑んでいる椎の手に。
「じっとしてて」
首筋に、椎の指先が触れた。
少しだけ震えてしまう。
「ほら、歩に似合ってる」
鏡を見ると、頬がほんのりピンク色になっているあたしの姿があった。
いつもとは違う、メイクアップした姿が。