【完】あたしが君を守るから
「あんたどういうつもり?」
仁王立ちして、地面に手をついている彼を見下ろす。
「と言いますと?」
ほんの少しだけビビってるのか、顔が引きつっている。
襟を掴んで、顔を引き寄せる。
「なーにが、『頑張れ』だの『応援してる』よ! あたしに何の意味を持って、言ったの??」
"??"部分を強調させる。
キョトンとした表情の司。
「だって、今までも、これからも1番近くにいるのは歩だろ? 歩は女だ。許嫁からとやかく言われても"頑張れ"。俺は"応援してる"。」
思いがけない答えだったから拍子抜け。
違うよ。
これから、1番近くにいるのはあたしじゃない。
美咲さんだよ。