【完】あたしが君を守るから
椎に視線を向けると、全く動かずに桐へと視線を向けていた。
「な、何だよ...」
何かを察知した桐は軽く身構える。
無言で桐へと近づく椎。
「?」
背が高いから、見上げる桐。
「...チビのくせに、歩を困らせんな」
怒りを出さないように小さな声。
睨んでるつもりでも、桐は完璧にビビってる。
「ぐっ...」
言いたい事を我慢して、数歩、椎から退く。
「......歩は...歩は椎の召使いじゃなないんだからな!!」
――――バタンッ
言い終える前に、部屋から飛び出し、言い逃げした。
...ビビりすぎだって桐...。
軽く噛んでたし。