あやまち
翔太は、どうしてあんなに鋭い視線を向けてきたの?



麻希とも出掛けちゃダメなの?



どうしてこんなことになってしまったの――…?




ずっと声を殺しながら泣いていたけれど、早く出ていかなきゃ変に思われちゃう。



でも、こんなに泣いたから、きっと酷い顔をしてる。



そーっとトイレから出て、洗面台へ向かう。



鏡を見ると……




「うわっ」




思わず声が出てしまうほど、酷い顔をしていた。



何度も顔を洗ったけれど、どうしても元には戻らなくて……



仕方ないから、そのまま翔太と麻希のいる部屋へと向かった。




ドアに手を掛けようとした瞬間、麻希の怒ったような声が耳に飛び込んできた。



翔太も麻希に言い返したりしていて……



喧嘩してるの?



耳を澄ましてみるけれど、何て言っているのかわからない。

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