あやまち
ドアノブに手をかけて、気付かれないようにそーっと開けてみる。



そして……



あたしの目に飛び込んできたものは……



二人が睨み合いながら向かい合っている姿。



この短時間の間に、何があったの?



そんな中、麻希が静かに口を開いた。




「こんなことになるなら、……翔太の話に乗らなきゃよかった」




翔太の話?



なんのこと?




「みんなが傷付いただけじゃない!それに……」




そう言って翔太から視線をそらした麻希は、大きく目を見開いた。



覗いていたあたしとバチッと目が合ってしまったからだ。




「悠亜っ!」




その瞬間、翔太も勢いよくこっちを振り返って……



その表情には、明らかに動揺の色がうかがえる。

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