あやまち
正直、二人がついた嘘は、許せない。


それによって、あたしの進む道が変わってしまったんだから。


だけど――



「あたしにとって麻希は、……親友という位置でしか、考えられない」


「悠、亜?」


「でもやっぱり、……凄く、ショックだった」



一番の親友だった麻希に嘘をつかれた事実。


信じていただけに、やっぱり辛い。



「ほんとに、ごめんなさい。許してもらえなくてもしょうがないと思ってる。でも――」



一旦言葉を止めた麻希。


うつむいていたあたしが視線を上げて、お互いのそれがぶつかった瞬間――


また口を開いた。



「あたしは、……また悠亜とアホトークしてバカ笑いしたい。ずっと親友でいたい」



強い瞳でそう言われたけれど……


あたしだって……

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