あやまち

「麻希とは――ずっと親友でいたい。でもね……」


「“でも”……何？」



こんなふうに、翔太と麻希のついた“嘘”をカミングアウトされて……



「今までと同じ気持ちでいられる自信は――ないよ」



それほど、ショックな出来事だった。



「悠亜、それは当たり前だと思う。あたしは、それだけのことをしたんだから。でも、これから少しずつ、悠亜からの信用を取り戻していきたい。……親友に、戻っていきたい」



そう言った麻希の瞳には、強い決意みたいなものが見られて、



“あー、今の麻希なら信じてもいいのかな”



と思えた。



「麻希」


「ん？」


「また、ゼロから始めようか？」


「ゼロから？」


「うん。出会った頃の気持ちに戻って、また親友になりたい」



「なに言ってんだ」って言われるかもしれない。


でも、今のあたし達は、こうすることが、親友へ戻る一番の近道のような気がするから。