あやまち
麻希は、あたしの言葉に耳を傾けたあと



「あたしはそれで構わないよ、……悠亜と親友に戻れるなら」



親友に戻ることを心の底から望んでいるであろう麻希の言葉に、今の麻希なら、ほんとの親友でいられるだろうなと思った。








「ねぇ悠亜、翔太から何をされてるの?」


「えっ?」



お互いに、親友としてゼロから始めようと、心新たにしたあと――…


麻希が、一昨日から時々見せる表情……眉を下げて泣きそうな顔で、あたしに問い掛けてきた。


でも――


翔太からされていることを問われても、何に対して言っているのかがわからなくて、応えられない。


そのままなにも言わずに黙っていると――



「外に出ていないんでしょ?あまり食べていないんでしょ?」



ここへ来る車内で聞いてきた内容を、麻希はもう一度口にした。

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