あやまち
だから離れていくと言われたら凄く胸が痛くて、離れたくないって思ってしまう。


だけど、あたしの気持ちがはっきりしないから、「いや」とも言えなくて。


なにも言えないことへのもどかしさからか、涙がぽろぽろと溢れてきた。



「俺は悠亜のことがすっげー好きだよ。でも、俺がやったことはほんとに最低で、もう悠亜の傍にいる資格はねぇよ」


「……」


「同棲も解消しよう」


「えっ」



思わず翔太を見上げた。


その表情は真剣そのもので。



「行くところがねーなら、嫌かもしれねーけどしばらくはここにいればいい。……悠亜は寝室を使ってくれていいから。俺は一切入らない」



昨日までは束縛するほどにあたしを離そうとはしなかったのに、今は呆気ないほどに突き放そうとする。


そんな翔太の変わり身の早さにはついていけなくて……


凄く胸が痛くなった。

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