あやまち
だとしたら、麻希だってサークルに行くのは勇気がいるんじゃ……



「ねぇ麻希、今日はサークルじゃなくて、カラオケにでも行かない?」


「は?」



あたしの提案に、麻希は眉間に皺を寄せる。



「そんなことして、翔太は大丈夫なの?」



麻希は心配そうにそう言ってきたけれど……


そういえば、麻希には翔太と別れたことを言っていないことに気付いた。


今の麻希の言葉……


きっと、翔太からの束縛は大丈夫なの?と言いたかったんだ。



「麻希、実はね……あたし、翔太と別れたんだ」


「えっ!?」



ずっとうつむき加減だった麻希が、目を見開きながら勢いよく顔を上げた。



「この間、麻希のところに泊まったじゃん?あのあとアパートに帰ってから、翔太に別れを告げられたの」

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