あやまち
「よく知ってんのな」



翔太は吃驚したように目を見開いてそう呟く。


そんな翔太を見ていると、思わず頬が緩んだ。



「こういうお店は、女の子の方が慣れてるからね」


「そう、だよな」



そう言って、翔太は周りをぐるりと見回す。


カップルもいるけれど、女の子同士の方が多かったりする。


それに気付いた翔太は、やっぱり俺には無理があったな、とこぼした。


でも……



「わざわざ調べてくれたんでしょ?あたしは嬉しかったよ」



あたしのその言葉に、再び目を見開く。



「はは、バレてたんだ。悠亜には敵わねぇな」



そう言ったあと、両手を頭の後ろに組んで、体ごと後ろへ反らしながら、



「あーあ、メニューの見方も調べときゃよかった。俺、カッコ悪すぎ」



と口を尖らせて言った翔太に、思わず笑みがこぼれてしまった。
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