あやまち
.


ピンポーン…



静かな部屋にインターフォンの音が鳴り響いたけれど……


今の時間は、10時。


翔太が帰ってくるには早すぎる。


万が一翔太だとしても、きっと自分で鍵を開けて入ってくる。


そう思うと……


誰?


普段、こんな時間に来客があったことがないから、凄く怖い。


何で、よりによって翔太がいない日にインターフォンが鳴るの?


ソファーに座ったまま動けずにいると、また……



ピンポーン…



と、鳴り響く。


うぅ、怖いっ。


でも、足音をたてずにそーっと玄関までいって、小さな穴から外の様子をうかがってみた。


そしたら……



「えっ」



思わず、声が漏れてしまった。


その声が外にまで届いてしまったのか、



「悠亜、いるんだろ?開けてくれよ」



そこにいたのは……


……渉だった。
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