あやまち
そういえば……


渉に抱かれてからは、傍に来ると体がビクッと反応して、無意識に拒否反応が出ていたのに、その嘘を知ってからは、そういうのはなくなった。


というより、あたしの心臓は活発になった。



“あのとき……コテージで二人が至近距離で見つめあってたとき、『あー、もう終わりだな』って思った”


「……」



そういえば、そんなことがあった。


あのときは渉を突き放すことができなかった。


というより、あたし自身が離れたくなかったんだ。


これってどういう……



「翔太、あたし……」


“俺、今日は帰らねーから”


「えっ!」


“今夜はプレゼントと過ごせよな”



と、翔太の口から出てきた予想外の言葉に、一瞬思考が止まる。


でも、また動き出した脳内を駆け巡る言葉。


プレゼント……


それって、やっぱり……渉のこと?
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