あやまち
いや、嵌められたんだけど……すぐに抜けてしまうようなサイズだった。



「あたし、こんなに指が太くないよ?」


「わ、わりぃ」



渉は慌てたように、その指輪をあたしの指から抜いた。



「最近悠亜に会ってなかったから、勘で作ったというか……」


「それにしても大きすぎ」



たぶん、ツーサイズほど大きかった。


そんなに太いと思われていたのかと思ったら、ちょっぴりショックだったんだけど……



「マジでごめんっ!すぐに直しに出すからっ!」



焦ったように謝っている渉を見ていたら、そんな気持ちもどこかへいってしまった。



「今度はぴったりにしてね」



笑顔でそう言うと、渉はほっとした表情を見せた。
< 215 / 220 >

この作品をシェア

pagetop