あやまち




「夏休み中に、四人でどこか泊まりに行こうよ!」




翌朝、二日酔いでテンションが下がると思っていた麻希は、そんな心配を余所に、元気すぎるくらいに、テンションが高かった。



もともと麻希はアルコールに弱く、酔いつぶれて寝てしまったときは、二日酔いになってしまうことが多いのだ。




「いいけど……、渉と、何かあった?」


「えっ……な、なんにもないよっ」




一瞬、瞳を揺らしたけれど、それを隠すように明るく振る舞った、麻希。



昨夜……あんな風に酔って、泣きそうな表情をしていた麻希が、脳裏に浮かんでくる。



……様子が少しおかしかった。



この反応は……



きっと……、何かあったんだ。



でもそれを、知られたくない?


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