あやまち
「それより、いつにする?」


「いつって?」


「だから、泊まりに行く話」


「……」




泊まりに……



喧嘩してるわけじゃないのかな?



でも、さっきはぐらかされたよね?




「悠亜?」




麻希は、考え込んでいる、あたしの顔を覗き込んできた。




「あ……うん、たぶんお盆辺りなら、翔太の部活が休みだって言ってた気がする。帰ってきたら、聞いてみるね」


「うん!」




目の前にある明るい笑顔に、嘘はないと感じる。



でも――…



昨日の、あの泣きそうな表情だった麻希が、凄く気になる。




「ほんとに、何もないの?……渉と」


「……」


「何もないなら、二人で行ってきたら?」




ほんとに何もないなら、二人で行けるよね?



でも……


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