あやまち
うつむいていた麻希の目から……、ぽたりと、涙がこぼれ落ちた。




「麻希?」


「悠……亜っ」




一粒こぼれ落ちた涙は、そのあとは止まることを知らないように、ぽろぽろと溢れてきて……



あっという間に、嗚咽を漏らすほどに泣きじゃくってしまった。



凄く小さく見える麻希を、そっと抱き締めた。






「ごめん……ね」




しばらくあたしの胸に顔を埋めて泣いていた麻希は、ふと、顔を上げた。



振り絞るように出した声は、嗚咽混じりだし、顔中も涙で濡れている。




「泣きたいときは、思いっきり泣いていいんだよ」


「うん、ありがと」




そう言って立ち上がった麻希は、「顔を洗ってくる」と言って、洗面台の方へ行ってしまった。


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