あやまち
そんな穏やかな二人の時間は……




「ちょっとー!何イチャイチャしてんのよっ!荷物を運ぶのを手伝いなさいよっ!」




という、麻希の大きな声で終わってしまった。



振り返ると、車から荷物を運んでいる二人の姿が視界に飛び込んできた。



また、……現実に引き戻される。



翔太に手を引かれながら歩いて、車のトランクの前で足を止めた。




「悠亜はこれな」




そう言って手渡されたものは……




「花火?」


「ん、夜に、みんなでやろうと思って、昨日渉と買ってきたんだ」


「……」


「あれ?悠亜、花火好きだろ?」


「うん」




好きだけど……


正直今のあたしは、いつものように楽しくわいわいと花火ができるなんて、思えない。
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