あやまち
「でも、そっか……、一緒に住むんだ。……じゃあ、あたしが悠亜の部屋に引っ越しちゃおうかな」


「えっ」




あたしの部屋?




「だって、渉の隣だもん。実はずっと羨ましかったんだよね」


「……」




そうだったんだ……



でも、そうだよね。



好きな人の傍にいたいって、誰もが思うことだもんね。




「ほんとに越してくる?」


「……考えとく」




少し考えたあと、麻希は笑いながらそう言ったけれど……



この表情……



きっと、越してこないな。



麻希が渉のことを、本気で好きなのはわかっているけれど……



麻希は、渉の気持ちを無視するようなことは絶対にしない。



だって、もし越してきたら……



渉の性格上、こういう強引なことをされると、鬱陶しく感じると思うから。
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