あやまち
お互いに切なさを含んだ瞳で、ずっと見つめ合っている二人を、無意識に眺めていた。




「ここにいたんだ……って、みんな勢揃い?」




そんな静かな空間の中に、翔太が入ってきた。



あたしと麻希を交互に見て




「何、泣いてんの?」


「玉葱がね……」




また、同じ説明を始める。



でも、そんなあたしの言葉を聞くか聞かないかもわからないうちに




「じゃあ、悠亜はこっちな」




そう言って、あたしの腕を引いた。




「渉と麻希で、そっちを頼むよ」




そう言い残して、手を引かれるまま外へと連れ出された。



あの空間から助け出してくれたことは、凄く感謝しているけれど……



翔太は、絶対に、何かあったって気付いてる。



さっき、……そういう瞳をしていたから。
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