あやまち
こうやって外へ出ることは嬉しいはずなのに、最近はテンションが上がらない。



食べたいものがわからない。



何もかもがどうでもいいとすら、思ってしまう。



だから、目の前でくるくると回っている寿司を見ていても、食欲がわかなくて……



食べても、美味しいとは思えない。



でも……




「旨いな?」




という、翔太の声には




「うん、美味しい」




と答えている自分がいる。



いつもどこかで、翔太の機嫌を損なわないようにと、気を遣ってしまっている。



だから最近は……



翔太といても、楽しいとは思えなくなった。



それに……



翔太のことが好きなのかも、よくわからなくなっていた。

< 95 / 220 >

この作品をシェア

pagetop