私が恋愛しない理由。
「ご卒業おめでとうございます。」
「うん。ありがとう。元気でね。」
やっぱり入学当初からバイオリン見たりとか世話を焼いてきたし慕ってくれていたかわいい後輩なだけに 寂しいけど、それが次のステージへ進むための代償であれば 仕方のないことだ。
「あやめーっ」
遠くから友達が呼ぶ声が聞こえた。
「じゃあね」
雛子に軽く手を振ると、わたしは校門前で写真を撮っている友達の元に歩き出した。