薬指の約束
「大丈夫っ!?
こけたの?」


依緒ちゃんはあたしの横にしゃがんで言った。



「ううん、ぶつかっちゃったの。
大丈夫だよ」



あたしはさっき差し出された手を借りずに立ち上がった。


「ぶつかっちゃって、ごめんね。
あたし、ちゃんと周り見てなくって…」



ぶつかった相手を見ると、
女の子みたいな綺麗な顔をした男の子だった。



見た感じ細い体をしているのに、身長は高くて、

いかにも"モテます"って感じの人。

いわゆる"美形男子"っていうのかな。



「ああ、俺もごめんな。
本当に怪我とかしてない?」



男の子は申し訳なさそうに言った。


「あ、うん…大丈夫」



「もな、帰ろっか!」


「うん!
あの、本当にごめんね」




そのままあたしたちは帰路についた。
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