薬指の約束
咲坂萌那実(さきさか もなみ)


地元の隣町の公立高校に通う、1年生。



好きなもの、友達とお菓子。


苦手なもの、男の子。





「もな、さっき大丈夫だった?」

家に帰る道を依緒ちゃんと並びながら歩いている途中、
依緒ちゃんが言った。


「うん…でも、ちょっと怖かったな」


「もな、男の子ダメだもんね。


でもさ、あの人、学年で一番かっこいいって噂だよ。
近くで見ると、本当に女の子みたいな綺麗な顔だったなー」


水瀬依緒(みなせ いお)ちゃんは、
中学生のころに出会ってから、依緒ちゃんはいつも内気なあたしの傍にいてくれて、
あたしのことは、なんでも理解してくれた


あたしの大事な友達。



「顔は確かにかっこよかったけど、
やっぱりあたし、男の子はダメだよ…」




「気にしないで、もな。

もなは今のままで十分だよーっ」

依緒ちゃんはそう言って、

あたしに笑いかけた。



「依緒ちゃん、ありがとう!
大好きっ」



あたしもそう言って、依緒ちゃんに笑いかけた。
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