その瞳で見つめて~恋心~【完】
「進藤君のことを助けたいんです! なんとかして、女の子と遊ぶのをやめてほしいんです」

「そうなのか? 隼斗」

先輩は確認を込めて、とりあえず進藤君に尋ねる。

進藤君は真摯な表情で肯いた。


「そっか……。だったら、合コンとかしてみたら? その場で大人数と楽しんだりするとか、いいと思うし」

「合コンか。なるほどね!」

「え? 合コンってなんですか?」

「えっ! ああ、そうだよね。水嶋さんだもん。合コンってのは男女が集まってトークしたり、遊んだりすることだよ」

「へえ……」

そんなのがあるんだ。


そんな説明をされてしまうと、興味がわいてくる。


「俺が人数集めてやるよ。同級生のほうがいいよな?」

「そうだね。ありがとう、兄さん」

さすが、先輩。
優しいなぁ……。


進藤先輩の優しさに感心していると、彼がこちらに顔を向ける。


「水嶋もさ、女子の方にいてくんないか?」

「え?」

「隼斗がうまくやれてるどうか、見届けてほしいんだ。それに、合コン知らないんだろ? なら、行って楽しんでこいよ」

「っ……、はい!」

あたしは喜んで引き受けた。


やった……!
興味があったから、うれしい!


「いいの?」

「大丈夫だ。手ぇ出すなっつっとくから」

「ふーん……」

「じゃあ、隼斗の女遊びをやめさせよう大作戦だな!」

先輩は弟の進藤君以上より、張りきっていた。
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