その瞳で見つめて~恋心~【完】
「うん。ありがとう!」

進藤君からプレゼントもらえるなんて、うれしい……!
大事にしよう。


うれしかったので、進藤君に向けて笑顔でお礼を言った。

すると、彼は安心したように顔が綻(ほころ)んだ。


「よかった。水嶋さんの笑顔、見れて」

「え?」

「水嶋さんは笑顔が似合ってるよ」

「──ありがとう」

進藤君は不思議な人だ。

進藤君のたった一言だけで、あたしの心臓のリズムを狂わせてしまう。


「兄さんならもうすぐ帰ってくるけど、待つ?」

「え?」

「え? って。兄さんが好きなんでしょ?」

「う、うん」

──『兄さんが好きなんでしょ?』

進藤君のその言葉にドキドキと高鳴っていたはずなのに、心臓はドクン……と音を立てて胸に痛みが伴(ともな)った。


そっか。
進藤君、気づいてないんだ。


未だに激痛が走る胸に手を当てて、ぎゅっと握って痛みを紛らわす。


あたし、もういいんだよ。
だって、今は違う人だから……。
好きな人は目の前にいる進藤君なんだよ?
< 81 / 192 >

この作品をシェア

pagetop