その瞳で見つめて~恋心~【完】
あたしが疑問に思ったことがわかったのか、真実さんは進藤君とは長い付き合いだと教えてくれた。


へー、同じ中学なんだ。


「隼斗は中学、サッカー部だったの。よく女の子にチヤホヤされてたなー」

「やっぱり、モテたんですね」

「そう。憎たらしいくらいにね」

真実さんは悔しそうに言うけど、笑って皮肉った。


真実さんってかわいいし、おもしろい人。
仲よくなれそう……!


「それにしても由奈ちゃん、かわいいね。ワンピ、似合ってるよ」

「真実さんこそ、ステキです」

「由奈ちゃんに言ってもらえると、うれしい! ありがとう」

「きゃっ!?」

真実さんは突然、女性とは思えない力であたしを抱きしめた。


「──真実さん? 水嶋さんから離れてよ」

両肩を掴まれて、後退するように真実さんから距離を取る。

振り向くと、そこには進藤君の姿があった。


「あっ、隼斗! 春樹も!」

「俺はついでかよ」

進藤先輩は顔をひきつらせて、苦笑いしている。


気がつけば、進藤君の隣には進藤先輩もいて、進藤兄弟がそろっていた。


こうやって見ると、2人って似てるなぁ……。


「全く。真実さん、水嶋さんのこと気に入ったの?」

「うん!」

進藤君が呆れ顔に対して、真実さんは満面の笑顔で答えた。


「とりあえず、そろったことだし。行こっか」

進藤先輩のかけ声で、あたしたちはテーマパークへ入場した。
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