光~彼との夏物語~

馴れ馴れしくて少しイラっとしたが圭の手の温もりと優しさに少し涙が出た。

「じゃあもう遅いし俺帰るね。夜遅くにごめん。じゃまた明日!」
圭は手をひらひらと振りながらそう言い、ドアを潜って屋上から姿を消した。

「よかったね。」そう言って微笑む由香莉。
本当によかったのか?
突然圭が現れて勝手に物事が進んで。

よかったのかなんて分からない。
でも、圭について行く、そう決めたのはあたしだ。

あたしは何も言わず頷くと由香莉と一緒に自室へ戻った。

ベッドに寝転がり枕を胸に抱く。
明日本当に来てくれるんだろうか…
久しぶりに感じる不安に怯えながらあたしは目をつむった。

そしてしばらくしてあたしは浅い眠りについた。



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