光~彼との夏物語~
夢を見た。
広野を駆け回る幼い男の子。
衣に身を包んだ男の子が笑っている。
あたしの視界も動いているということはあたしも走っているようだ。
ときどきちらついて見えるあたしの手はなぜか子供の手で、男の子と同じような衣を着ている。

すごく昔の、それも衣を着ているような時代の夢。
意識ははっきりしてるが身体はあたしの意思では動かない。

しばらくその光景が続くと突然男の子の姿がぼやけ光景が途切れた。
周りは黒に染まっていて、身体を見るとあたしの身体に戻っていた。
あたしは宙に浮いていて今度は自分の意思で身体が動く。

身体が動くことを確認しているとまた違う光景が目の前に広がった。

縁側に男の子が腰掛けていて、あたしもその横に座っているようだ。
またあたしの身体は子供の身体になっている。
しかし時が経っているのか男の子もあたしも身体が少し成長しているよう。

今度は声がした。



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