光~彼との夏物語~


誰にも見られないよう部屋を抜け出し(もちろん同室の由香莉が寝てから)屋上に鍵をこじ開けまた外から鍵をかけ直してやった。
あたしは意外と手が器用で鍵をこじ開けるのはおてのもん。
ヘアピンが1本あれば十分だ。
そしてご丁寧に屋上への鍵もここに来る前に焼却炉にいれてきてやった。

まぁ、そんなわけで大人もここへは来れないし、ましてや今もあたしが抜け出したのも知らずぐっすりと寝ている由香莉なんかがここへ来てあたしの自殺を止めることは出来ない。

あたしはやっと自由になれるんだ!

あたしは軽々と身を乗り出した。
もう何度も来たせいで怖くもなんともない。

高さはまずまず。
三階建ての高さだから頭からいったら即死かな。
頭じゃなくても死ぬか。
考えるのもめんどいや。


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