光~彼との夏物語~


夏の生暖かい風があたしの頬を撫でる。
目をつぶると耳の奥で
泣きながら訴えかける声と
怒鳴る声が交差した。


「…-お母さんを返して…ッ…お姉ちゃん、お母さんを返してよぉ!」
「…--お前が殺したんだ!!殺したも同然だ!!死ねよ。お前みたいな女俺の娘じゃねぇッ!!」


母親を殺したあたしなんかに生きる意味なんてない。
生きてちゃいけないんだ。

死のう…

お父さん、碧(ミドリ)…
もうあたし死ぬから。
死んだらちゃんとお母さんに謝るから。
ねぇ、だから許して。

あたしを捨てないで-----…




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