禁断ノ遊ビ


痛みと焼くような熱さ。目に風が通り、気持ち悪い。目も開けないのに、何故か風が通っていた。

枯れた呻き声を上げながらも、痛みは先よりもミクロ世界で落ち着いた……いや、痛みに慣れた。


「椿くん……」


掛ける言葉が見つからないのか名を呼ぶだけでうつむき、徐に髪に飾られた幅の太いリボンを外した。

自身が血で汚れるのも構わず、僕の左目に隠すかの如く巻き付けてくる。

気持ち程度の応急処置でも、血を止めるのには十分だった。依然として痛みは消えないが。


「ひ……な……」

「早く、ここから出よう?」


雛はそう言い、僕の手を力なく引き、立ち上がった。



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