IMITATION LOVELESS -Remember-
「僕さえ! …僕さえ居なくなれば、二人は殺されない…」
憐は処刑台の入り口で叫びを上げると歩みを止める。
憐の叫びに反応するように雨が弱々しくなる。
濡れた扉の縁に手を添えて囁いた。
「二人と居られた季節は……凄く…幸せだったよ…?」
憐は顔を上げて、首だけで振り返った。
「今も、"あの時"も、護ってくれて……ありがとう……」
振り返った憐の顔は…、美しく、儚く、それでいて…鮮やかすぎる笑顔だった。
真っ暗な雲の隙間から差し込んだ太陽の光が、憐を優しく照らした。
左目の火傷が消えたように見えた。