IMITATION LOVELESS -Remember-
【大切なモノを…忘れてしまった気がする…―。】
【俺達の知らない処で何をしているのか…、ずっと…傍に居て欲しい…―。】
「憐、ミルクティー淹れてきたよ?」
翌朝、空は曇天。
まるで 憐の心のようだった。
そんな憐を気遣うように、優夜はふんわりと湯気が立つティーカップを憐に差し出した。
昨日の出来事で震えている憐の顔が微かに綻んだ。
大好きなミルクティー。
優夜が覚えていて淹れてくれたわけでないのを分かっていても、憐は心から喜び、ミルクティーを一口啜ろうとした。
「憐はミルクティー好きだもんね」
「え…?」
優夜の一言に憐はカップから唇を離してしまう。
刹那も憐同様に唖然として 優夜を見つめた。