星華
第1章  過去
卒業式。


私はある男の子に告白をした。


「好きなんだけど・・・
 

 付き合ってもらえんかな?」




勇気なんていらなかった。
緊張だって、震えるはずの手も
全く震えなかった。

返事は分かってたから。





「いいよ。」





私たちの学校の6年生は
皆軽かった。
ほとんどの人が
告白されたらオッケーをした。
例え好きじゃなくても
オッケーをした。

付き合うという意味を知らず
ただ単に「彼氏」と「彼女」の
名前がかっこよくて付き合う。

だからもちろん
行き帰り一緒に帰ることもなく
学校内で話すこともなく
ただ目が合ったらドキドキするだけ。
ほんとに付き合ってんのか?
って思えるくらい。


こんなのが当たり前と思ってた。

告ったらオッケーもらえる。



ただ、そんな考え甘かった

自分が可愛いわけでもない
優しいわけでもない
いい人なわけでもない

ただ中の下くらいの私が

こんな簡単な風に思ってた私が

たった一つの本気の恋に

泣いて笑ってを繰り返す


辛くて切なくて苦しくて

そんな本気な恋に堕ちたんだ



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