キミという名のサンタさん
私の声に気付いた水沢くんはゆっくりと振り返る。
と、片手には私と同じくパックジュース。
「おそろいだね」
なんだか嬉しくて笑みを零してしまう。
「…………」
水沢くんは黙ったまま私から顔を背けてしまった。
そのまま教室へと足を進めていく彼。
「水沢くんっ」
無視しないでよっ!
そういう意味も込めて私は彼の名前を呼んだ。
けど、振り向いてくれる気配はない。
そのとき、水沢くんは顔が赤くなっていたから私の方を向いてくれなかったとは私は知るはずもなかった……。